SIDE HITOMI


したらさ、神様は味方だ!って感じ。
次の日、仕事が夕方に終わった。
ごっちんに確認したら、ごっちんも今日は都内で仕事だって言うじゃん。
これは行くしかないって思って
いそいそと後藤邸へ。
チャイムを押したら祐樹があけてくれた。

「おぉ、よっすぃ〜、久しぶりじゃん」
「うん、久しぶり」
「ああ、この前真希ちゃんが迷惑かけたらしいね、ありがとう」
「あー、いいよ、あれくらい」

びっくりしたなあ、祐樹がそんなこというなんて。
いつの間にか成長したもんだ。

「今日は? 真希ちゃん早いの?」
「うん、部屋で待たせてもらうことになってる」
「じゃあどうぞ、あがって?」


そういえばしばらくごっちん家来てないなあ。
……相変わらず、部屋は汚い…
最初、ベッドに座って待ってたんだけどさ…
だめだ…かたずけよう…。
結果、ごっちんが帰って来るころにはこぎれいに片付いていて、
あたしはと言えばそのできに満足してたりして。

まだ帰ってこないのかなあなんてベッドに転がってたら、いつのまにか寝てしまってたらしく…



「ぐえ…」


急に体に衝撃を感じて目を開けたら、
めっちゃ笑顔のごっちんがあたしの上にダイブしてきていた。


「真希ぢゃ゛ん゛…あ゛だじ死んじゃう…」

そういって咳込むまねをしたら、
ごっちんはマジで心配顔になっちゃって、
あたしを抱き起こして抱きしめたまま背中さすりだして…
…苦しいふりをしただけですなんていまさら言い出せなくて、
演技を続けたまま、密着してどきどきしてた。

「ねえ、大丈夫?」<

しばらくして身体を離したごっちんがあたしを見る目は
かすかに潤んでて、めっちゃかわいくて…。

「うん、大丈夫だよ」

できるだけ元気にそういって、あたしは身体を離した。

「部屋、片付けてくれたの?」
「うん、だって散らかってたから」
「へへへ…」
「相変わらずだなあって思った」
「なによぉ」
「たまーに片付けに来てあげようか?」
「ほんと!?」
「嘘なんて言わないよ?」
「めっちゃ嬉しい! あ、片付けてくれるのがじゃないよ?
たまにでもよっすぃ〜に会えるのが嬉しいの」

なんてかわいいこと言ってくれるんだ。
あたしもめちゃ嬉しくなって、ごっちんの横顔をじっと見つめた。

「ねえ、真希ちゃん」
「ん?」
「キスしていい?」

うわっ! あたしってばなんてこと言い出すんだ…。


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