ひとみが転入してきたこの季節、うちの学校は球技大会の季節なんだ。
女子高な癖に、年に一回のこの大会は異様に盛り上がった。
今年は高校生活最後の大会ということで、うちのクラスの気合の入り方も半端じゃなかった。
今は、ホームルームの真っ最中、議題はもちろん球技大会で、選抜選手を決めようとしていた。
「後藤さんは決まりだよね?」
「んあ?私?」
「そうよ。いつも後藤さんがいるクラスってベスト3に入るじゃん」
確かにね、今まではそうだったよ?
でも、今年はフットサルだよ?
フットサルなんかしたことないっちゅうの。
ってか、名前書かれちゃってるし…。
「フットサルって身長いる?」
「いるよー」
「じゃあ吉澤さんもだね」
あーあ、ひとみまで指名されてるよ。
呆気に取れられた顔のひとみだけど
「わかりました」
なんて言っちゃってるよ。
ひとみ、出来んの?
練習が始まる。
意外にひとみの足が速くて驚いた。
ボール捌きもうまかったりする。
何よ、ひとみってば文武両道ってやつ?
球技大会の日、うちらのチームはどんどん勝ち進んで行った。
吉澤と後藤がいるクラスになんて勝てるわけないなんて言われたりして。
そしていよいよ決勝戦、
誰もがこのままうちらのチームが勝つものだと思ってた矢先、事件は起こったんだ。
私からのコーナーキック、ゴール前で競り合って、頭で合わせに行ったのはひとみだった。
ドンッ!
鈍い音がしたかと思ったら、次の瞬間、ひとみが顔を押さえてグラウンドに倒れ込んでいた。
ポタポタとグラウンドに赤いシミが付いていく。
近くに落ちているメガネは粉々だ。
「保健委員、保健室だ」
…私じゃん!
タオルで顔をおさえて歩くひとみ。
「ねえ、他は大丈夫?」
「うん…」
口数がいつもにもまして少ない。痛いんだろうな…。
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