翌朝、私とひとみは初めてバラバラに学校へ向かった。
幸いなことにこの前席替えをして私とひとみの席は端と端。
顔を合わさずに済みそうだ。


午前中の授業、私は決して右を向かなかった。
別にひとみのこと嫌いになったわけじゃないけどなんか気まずいんだよね…。

昼休み、私は美貴とお弁当を食べることにした。


「喧嘩でもした?」
「え?」
「ひとみちゃんとだよ」
「別に…ちょっと気まずいだけ」
「そっか…。ひとみちゃんさ、午前中調子悪そうだったよ?」
「まじ?」
「授業中ずっと咳してたし、熱っぽそうだったよ?」


どうしちゃったんだろ…


「気になるんだろ?早く行ってこい、このバカップル」


バカップルか…。
本当は姉妹なんだけどね…。


「わかった…行ってくる」


素直じゃないよね。
渋々って顔をして。
私とひとみがよく一緒によくお弁当を食べた場所ー屋上に向かった。


屋上にひとみはいた。
寂しそうに一人お弁当を食べてる。
ってか、あんまり箸が進んでないよ。
しんどいのかな…。
そう思って見ていたら、ひとみは咳込み始めた。
なかなか収まらないみたいで苦しそうで、私が出ていこうと思ったとき…、


「吉澤さん、大丈夫ですか?」


一年のバッヂをつけた女の子がひとみに駆け寄り、背中を摩った。



「うん…ケホ…ありがとう…ケホケホ…」


苦しいくせに最高の笑顔を返してる。



イヤダ…
ムカツク…
ワタシダケニワラッテホシイ…。


どす黒い感情が私を支配する。
自分の中にそんな感情があるのがイヤで、私は屋上をあとにした。


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