てっきり年上かと思ってたのに。


「老けた生徒だって思ってるんでしょう」


何でわかったんだろう。


「へ?」
「私、多分タメだよ」
「22?」
「うん。私、高校入り直した口だから」



校舎の入口まで来たら教頭先生が、あたしのことを待ち構えていた。


「吉澤先生!何やってたんですか!」
「この先生、電車の中でしんどくなっちゃったんだから仕方ないじゃない」


彼女が助け船を出してくれた。


「仕方ないですねえ。真希さんの顔に免じて今回だけは見逃しましょう」


助かった…。
てか、この子はなんでこんなに強いんだ?



始業式があって担任紹介が終わって、教室へと移動した。
…まじっすか?
あたしのクラスに彼女−後藤真希がいた。
あたしはしばし固まって後藤さんを見てしまった。


「先生、ごっちんに一目惚れ?」


生徒に突っ込まれる。
予想外のこと言われるとさらにあたしは固まってしまう。


「へ?あたし女…」
「わかってるって。でもごっちんは男女関係なくモテるから」


たしかに、そう言われてみると後藤さんはめちゃくちゃかわいい。


「ってか、先生もちょーかわいくない?」
「ほんとだ」


え? あたし?


「先生いくつ?」
「彼氏いるの?」


そのあとホームルーム中、あたしは質問攻めだった。

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