吹っ飛ぶよっすぃ〜の身体。

「レッドだろ!」

うちの監督やコーチが一斉に叫ぶ。
案の定レッドカードが出て、プレーが中断した。
私は慌ててよっすぃ〜に駆け寄った。

「大丈夫か?」
「…ケホ…ゲホ…ォエ…」

苦しそうにうずくまるよっすぃ〜。
息が詰まって、吐き気を催してる。
だらだらとよっすぃ〜の顔を脂汗が流れる。
短時間の回復が無理なのは、誰が見ても明らかだった。
私はピッチ内での処置を諦めて、ピッチ外に出すためによっすぃ〜を抱きあげた。
観客席はざわめいたけど、気にせずに。
かわりに入った梨華ちゃんが心配そうに振り返る。
人目につく場所は避けて、アリーナの外に出る。
めちゃくちゃ苦しそうだけど、こればかりは なんともできない。
ただ背中を摩って、少しでも呼吸が楽な姿勢に保ってやるしかできない。
よっすぃ〜は嘔吐感を我慢しながら、一生懸命呼吸を整えようとしている。

「ごめん…俺のせいだ…」

悔しくて涙が出て来た。
そんな私の顔を見て、よっすぃ〜が私の顔に手を伸ばした。

「…泣か…な…いで?」
「ひーちゃん…」

泣き虫な後藤真希が顔を出す
涙が止まらない。

「…大…丈夫…だよ?」

途切れ途切れに言われても説得力ないよ。

「喋んなくていいから」

だだ無言で、でも二人だけの温もりを感じながら時が過ぎるのを待つ。

「将」
「ん?」
「試合…どうなった?」


よっすぃ〜の言葉にアリーナの方に目をやると、
ガッタスのみんなが、ガッツポーズするのが見えた。

「勝ったみたいだよ」
「よかった…」

メンバーが観客に挨拶を終え、こちらに走ってくる。


「よっすぃ〜」
「よしこ」
「吉澤さん」
「勝った?」

よっすぃ〜は私にもたれたままみんなと話す。

「勝ったよ。1対0」
「おぉ、こんこん取られなかったんだ」
「はい!私頑張りました。吉澤さんが取ってくれた点、守ろうって必死でした」

あら…紺野うるうるしちゃってるし。

「なぁ〜に泣いてんの。よく頑張ったね」

よっすぃ〜が紺野の頭を撫でてる。

「吉澤さんは?大丈夫なんですか?」
「胃を蹴られたからね…まだ少し気持ち悪いよ」


みんなが私の説明を待ってるのか私を見る。

「大丈夫だよ。よっすぃ〜腹筋強いよ。
あれだけの勢いで蹴られて、吐かないのは見事だよ。
さあ、セレモニー始まるよ?みんなは先行っといで?」

みんなを送り出したら、よっすぃ〜が身体を起こした。

「立てる?」

立ち上がったよっすぃ〜の腹筋を伸ばしてやる。

「深呼吸してみ?」

ふう〜っと息を吹き出すよっすぃ〜。

「どう?」
「うん。呼吸は楽になった」
「気持ち悪いのはさ、時間が解決してくれるから」
「うん…」
「出れるか?」
「はい。行きましょう」

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