救護室でテーピングを外すと、やはりすこし腫れがあった。
患部を冷やしながら、庇うために張りが出ているふくらはぎをマッサージする。
私の手がよっすぃ〜を癒しているかと思ったら、誇らしかった。


公演が終わり、宿に入る。
娘。と一緒はなんか疲れる。
私は服を着たままベッドに倒れ込んで、そのまま寝てしまった。
夜中、電話が鳴った。

「はい…」
『里田です』
「どうかしたの?」
『吉澤さんのことなんです』
「よっすぃ〜がどうかした?」
『さっき電話きて、具合い悪いって言うから様子見て来たんですよ』
「うん」
『熱あるみたいで…足も痛いって言うから診てもらえないかなって思って』
「わかった。今すぐ行くよ」

慌ててよっすぃ〜の部屋に行く。
まいまいが心配そうによっすぃ〜の横にいた。

「痛むの?」
「はい…」

私はアイシングを施す。
そしてよっすぃ〜の額に触れた。

「痛いのに頑張り過ぎちゃったか」

冷えたタオルを額に乗せてやると、よっすぃ〜は安心したように目を閉じた。

「私、部屋に戻りますね」

まいまいが言う。

「え?」
「明日もライブあるし。じゃあおやすみなさい」

あ…行っちゃったよ…。
私もよっすぃ〜が寝付くの見届けたら帰ろう…。

「あの…」
「どうした?」
「寒いです」
「え?大丈夫?」

足と頭を両方冷やしているせいなのか、熱のせいなのか、よっすぃ〜は寒がっていた。
慌てて私は毛布をかけなおした。
でもまだ寒そうにしている。

「まだ寒い?」

よっすぃ〜はうなづいた。
仕方ないから私はよっすぃ〜の背中とか腕とかをさすってやった。
一晩中そうしてて、気がついたら二人ともそのまま寝ちゃってた。

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