「安倍さん…」
「ん?なあに?」
「キスしていいですか?」
「へ?」
「キスしたい…」
「何言ってんの?ごっつあんに悪いでしょ?」
「もう関係ないです。ごっちんはまいちんに惚れてますから」
「確かめたの?」
「いえ…」
「思い出させる努力はしたの?」
「だって無理矢理しちゃだめなんじゃ…」
「誰も無理矢理なんて言ってないっしょ?」
「え?」
「二人の想い出の場所ヘ行くとか方法はいくらでもあるでしょ?」

もっともだと思った。
ぐぅのねも出なかった。
結局はあたしは怖がって逃げてるだけなんじゃん。
自分の不甲斐なさに吐き気がした。

「安倍さん…」
「ん?」
「気持ち悪い…」
「あら…大丈夫?」
「ハグして」
「よっちゃん…」
「お願い」


じゃないと倒れちゃいそうだよ。
安倍さんは少し躊躇しながらもあたしを抱きしめてくれた。
安倍さんの腕の中で、大きく息をつく。



「よしこ」

まいちんの声だ。
安倍さんの身体から離れて顔をあげたら、まいちんとごっちんが目に入った。

「違うんだ、これは…」

冷ややかな目で二人があたしを見てる。

「そんな目で見ないでよ…」

安倍さんの温もりで忘れかけてた嘔吐感が、再び蘇る。

「ケホ…ケホケホ…ゲホゲホゲホ」

慌てて口を押さえて。
でも吐き気は止まらないし、いよいよ吐きそうになって、道端にしゃがみこんだ。
朝から何も食べてないから、胃液しかでない。
途中、誰かが背中をさすってくれる。
ありがとう、安倍さん…。

何分くらいそうしてたんたろう。
やっと気分が良くなって、顔を上げたら、もうそこにはまいちんとごっちんはいなかった。

「すいません、安倍さん。背中までさすってもらっちゃって」
「違うよ?」
「え?」
「背中さすってたの、ごっつあんだべさ」
「まじっすか」
「心配そうにね。やっぱりごっつあんも責任感じてるんじゃないの?」
「そんなわけ…」
「なんかね、よっちゃんのこと気にして、ミキティあたりに様子聞いてるみたいよ?」
「そんなくらいなら思い出してくれよ…」

ぶっちゃけ、あたしとごっちんは恋人関係にあった。
だからこそ、今の状況が辛いんだ。
悔しいんだ。
そんな精神状態のせいなのか、
吐いたせいなのか、胃がキリキリと痛い。

「お腹痛いの?」
「胃が…」
「家で休んでく?」
「ありがとう」

胃の痛みは安倍さんちのソファで暫く休んでたら楽になった。
…帰った方がいいのかな。
あれこれ考えながら、安倍さんのことをぼーっと見てた。

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