それから数日経って、ごっちんの意識が戻ったという連絡が来た。
その日の夕方、あたしたちは病院に向かった。
なんでもごっちんが仲間に 会いたいって言ったらしく、
娘。新旧メンバーが入り交じってお見舞いに行ったんだ。
みんなの顔を見て、ごっちんは嬉しそう。
メンバーと順番に言葉を交わして。
あたしは最後
あたしの前の梨華ちゃんが言葉を交わし終わって…。
ごっちんがあたしの顔を見つめる。
そして、ごっちんはあたしの名前を呼ぶ前に、安倍さんを呼んだんだ。
何やら安倍さんにこそこそ話をしているごっちん。
安倍さんは「えええ!?」なんて驚きの声をあげてるし…。
なんなんだ? まったく。
「…よっすぃー?」
「ん?どうした?」
「来てくれてありがとう」
なんか他人行儀な挨拶をされた。
疲れたのかな?って、その時は気にもとめなかったんだけどね。
その二日後。仕事が早く終わったからあたしはごっちんのところへ行ったんだ。
そしたら先客がいた。
安倍さんだ。
ノックをしようとドアに近づいたら、安倍さんの声が聞こえた。
「ねえ、本当に思い出せないの?」
「うん…」
「一番仲良かったんだよ?」
「あんなかわいい子と?
」
誰のこと話してるんだろう。
ってか、思い出せないって、ごっちん記憶喪失にでもなったわけ?
「全くなにも覚えてないの?」
「うん…。他の子たちは覚えてるんだけどね。あの娘のことは何も…」
「ごっつあんとなっちと三人メインで歌ったじゃん」
「……」
「よっちゃんがかわいそうだよ…」
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