ごっちんはちゃんと記憶に向き合うという。
あたしも逃げてばかりじゃダメだ。
ごっちんにも…そしてまいちんにも向き合わなきゃ。

まずはまいちんと話をしなきゃな。
親友同士で、同じ人を好きになって修羅場、なんてのは極力避けたいもんだ。
あたしはまいちんに会うべく、まいちんが今日仕事をするという場所へ向かった。
今日はカントリー娘。としてではなく、
「里田まい」としての仕事だから、サシで話をするには好都合なんだ。
あたしはまいちんの控え室へと向かう。
鍵のかかってないドアをそーっと開けた。


まいちんはいた。
ごっちんと一緒に。
快楽に喘いだ表情のまいちんを見るのは初めてだった。
ごっちんは本当に愛しいものを見るような目でまいちんを見てて、
ガラス細工を触るように優しくまいちんの身体に指を這わせている。
瞬間的に血液が沸騰した。


「やめろーー!」


あたしは楽屋に飛び込んだ。
…あたし、どっちに怒ってるんだ?
ふりあげた拳の行きどころに迷う。
一瞬、躊躇した隙に、
ごっちんはまいちんの前に来て、まいちんをかばう姿勢を見せた。


「殴るなら私を殴って?」
「ごっちん…」
「見てのとおり私がまいまいを抱いてるんだから、私を殴って」
「抱いてる、なんて言うなよ…」
「ごっちんは悪くないよ。誘ったのは私なんだから」
「ううん、OKしたんだから私も同罪」

目の前で庇い合う二人を見るのは辛かった。

「ごっちん、まいちんを返してよ。まいちん、ごっちんを返して…」

あたしはがくりと膝を折った。
ごっちんはそんなあたしを見て、一瞬とまどいながらも、話はじめた。


「よっすぃー、私ね、退院してすぐにアルバム見たんだ。
私とよっすぃ〜、すごいいっぱい写ってた。
あ〜仲良かったんだなあって思ったよ。
なのになんでよっすぃ〜のことだけ思い出せないのか、悲しかったよ。
昔のビデオとか見てもさ、いっつも二人でいて…。
私、頑張ったんだよ?
思い出そうって、一生懸命考えて…。
でもダメだった。
思い出そうとすればするほど、記憶に靄がかかるの。
頭が痛くなるの。
そんな時にそばにいてくれたのがまいまいだったの。
ずっと…ずっと私のそばにいてくれたんだ」


ショックだった。
あたしは何をごっちんにしてあげた?
いつも怒って責めてばっかりだったじゃん。
ごっちんがにげるの、当然だよね…。


「でも…」

ごっちんが下を向く。

「私のせいでまいまいとよっすぃ〜の友情がくずれそうなのは辛いよ…」


そんなごっちんの言葉に、今までじっとあたしを睨みつけていたまいちんが、
やわらかい笑顔をごっちんに向けた。
あたしの胸の中はえも言えぬ感情に埋め尽くされる。
自分の意思とは裏腹に、涙が溢れて来た。


「よっすぃ〜…」


涙を見たごっちんが、あたしに近づいてくる。


「泣かないで?よっすぃ〜」


そっとあたしの頬に触れ、涙をごっちんが拭ってくれる。
久々に感じる、ごっちんの温もりだった。

「私、頑張って思い出すから」
「真希ちゃん…」
「例え…例え思い出したあとが苦しくても後悔しない」

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