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そしてあたしは後藤さんと遊びに出かけた。
すっごい楽しくて、後藤さんもいい表情してくれて
ああ、大人っぽく見えてもまだ18歳なんだなって
思ったりして。


「吉澤くん」
「ん?」

夕方になり、あたしたちは夕飯を食べるべく
渋谷の町を歩いていた。
いいの? なんていったら
大丈夫なんて帽子を目深にかぶりなおして後藤さんは歩き出す。

「!!」

急に後藤さんが手をつないできた。

「後藤さん?」

後藤さんは何も言わずに微笑んだだけ。
あたし、遊ばれてるのか?
でもそんなこと言えるわけもなく、あたしはされるがまま。

「ねえ」
「ん?」
「一個、お願い聞いてくれる?」
「お世話になったし…いいよ?」
「ずっといて」
「…は? どこに」
「私の家」
「…え?」
何でそんなこと言うんだ。
出て行こうって思ってたのに…。

「なんで?」
「え?」
「何でそんなこと言うの?」

あたしがそう言ったら俯いてしまった。

「あ…ごめん…」
「ううん。そりゃ普通そう思うよね。
でもね、いてほしいの。離れたくないの」
「…オイラはペット?」
「え?」
「いや、室内犬みたいな感覚なのかなって」
「…一目ぼれ」

ふーん、一目ぼれか。
って、え? え? 一目ぼれって誰に?

「一目ぼれ? 誰に」

後藤さんのあたしの手を握る手にぎゅっと力が入った。


こくりと頷く後藤さん。
ありえねえ…
何でこんな人気アイドルがあたしなんか?
っていうよりさ、あたし女なんだけどな…。
抱きしめてあげられないよ?
女だってばれちゃうから。
こんなことになるんなら、最初から女だって言っとけばよかった。

「ねえ、だめ?」
「だめってか…」
「好きなの。初めて自分から好きになった…」

好きになった って類の話なのに、何でこの子はこんな切な気な目をするんだ?
手、離せないじゃん。

「いいよ。そばにいる」

気がついたらあたしはそんな言葉を口にしてた。



マンションへの帰り道、後藤さんは嬉しそう。
途中で寄り道して、あたし用の茶碗とか歯ブラシとか買ったりして。
あたしも内心複雑だったけど、かわいい女の子は嫌いじゃないし、
今の状況を楽しんだりして。
でも…
でも……




あたしは本気で後藤さんを…真希を好きになり始めていた。

 

つづく

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