<5>

 

「ただいま!!」


後藤さんが帰ってきたのは夜の8時ごろだった。

「大丈夫?」

リビングに入ってくるなり、あたしのところに飛んできて。
でも薬飲んでるわけでも注射してもらったわけでもないあたしは
明らかに朝より具合悪いわけで。

「大丈夫だよ」

なんて、咳込みながら言っても全然説得力ないし。

「薬買ってきたから。今からなんか作るから、それ食べて薬飲んでね?」


それから後藤さんは雑炊を作ってくれて、
あたしの熱を測って薬飲ませてくれて。
そして今は、後藤さんのベッドに寝かせてもらってるあたしを
心配そうに横で見てる。
冷えピタが暖かくなるたびに新しいの張り替えてくれて、
咳込むたびに背中をさすってくれて。
あまりにも咳がひどくて横になってるのが苦しくて、起き上がって咳をしてたら
途中から後藤さんが抱き抱えてくれた。
「これなら苦しくないでしょ? 安心して寝て?」
なんて優しい言葉をかけてくれつつ。
返事をするのもしんどかったから、そのままそこはうなづいてたんだけど
ねえ、何でそこまであたしに優しくしてくれるの?


後藤さんの献身的な看病のおかげで
あたしの風邪は翌朝にはよくなっていた。
でも、そうなると、あたしがここにいる理由もなくなるわけで
あんまり長居するのもなんだから、今日は出ていこうかな なんて思ってた。


「後藤さん」
「なあに?」
「…ありがとね」
「うん…あの…」
「出て…」
「あのさ!」
「…何?」
「私、今日休みなんだ」
「あ、うん…」
「どっか、遊びに行こ?」
「え?」
「ね? いいでしょ?」
「いいよ…」

言いそびれちゃった。
ま、お世話になったから、恩返しのつもりでデートするのもいいかもね。

 

 

つづく

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