<4>

 

結局、あたしは泊めてもらうことにした。
リビングにあるでっかいソファと毛布を借りて
この日、あたしは久しぶりにゆっくり眠った。





次の朝、あたしはきっちり風邪を引いた。
何なんだ、あたしの身体は。
寒い街角から暖かいところに入ってきたはずなのに
逆に具合悪くなるなんて、バカみてえ。

「…吉澤くん?」

起きれないでいると、後藤さんが声をかけてきた。
毛布をめくると、そこに後藤さんの顔が。

「…だめだよ、近づいちゃ」
「…吉澤くん、顔赤い…。熱、ある?」

後藤さんの手があたしの額に伸びてきた。

「めっちゃ熱いじゃん」
「近づいちゃだめ。風邪うつるよ?」
「でも…」

身体あっついし、喉はゼロゼロするし、だるいんだから…
あんまりしゃべらさないでよ…。

「大丈夫だから…もうちょっと寝かせて…」
「うん…」

なんかさ、どっちが病人だって位に凹んでて、
仕事行かなきゃいけないのに、あたしのほうばっかり気にする後藤さん。
昨日会ったばかりのあたしに、何でそこまでしてくれるんだ?


「吉澤くん」
「…なに?」
「いてくれるよね?」
「なにが?」
「出て行かないでしょ?」
「…ってか、治るまでいさせてもらえるとありがたい」
「もちろん。ゆっくりしてて? 今日、そんな遅くならないから」
「ん…わかった」


そう言って後藤さんは仕事に出かけていった。



お昼過ぎに起き上がって水を飲もうとキッチンに行くと
そこにはちゃんとご飯が用意してあって
『チンして食べてね  真希』
なんていうメモまで添えてあって、思わず顔がほころぶ。
でもさ、なんで後藤さんはここまであたしなんかに優しくしてくれるんだろう。
それも、街中で拾ってきたみたいなあたしに。
拾った…そうか…捨て犬かわいがる感覚なのかな。
まあ、暖かいねぐらとおいしい食事があるんだから
後藤真希の飼い犬ってのも悪くないかもしれないな。
それにしても体調は最悪で、
今まで張り詰めてたものが切れたのかな
だるいし、熱っぽいし、咳は一度出たら止まらないし。
…早く帰ってきてくれないかな、なんて
そんなことを思ったりした。

 

 

つづく


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