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近くのコンビニで食料を仕入れる。
あたしがカップ麺を見ていると
「そんな味気ないのやめなよ」
そういって、彼女は一手間かけなきゃいけない食材をかごに入れ始める。

「そんなのすぐ食えないじゃん」
「…もしよかったら…家、来ない？」

…ありえねえ…
なんなんだ？　この展開。
…とりあえず暖かいところに入れる。それが嬉しかった。

マンションまでの道、お礼の意味を込めてあたしは荷物を持った。

「私、どうかしてるのかな？」

彼女が言う。

「何が？」
「だって見ず知らずの男の子、家に連れてくなんてさ」


…今、男の子って言った？

「マネージャーに怒られるかな…」

いや、怒られないでしょ、あたし、女だし。

「何か放っておけなかったんだ。
さっき車で帰るときに前通って、座り込んでるの気になって…。
で、コンビニに行こうと思ったらまだいるんだもん。
すっごい気になった」


…このまま、あたしが女だって言わないでおこう。
クールで無口だって世間的なイメージの彼女が、
こんな嬉しそうに話してるんだもん…。

つづく

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