<11>

 

真希のマンションは、あたしが出て行ったときから何も変わってなかった。
あたしの歯ブラシもパジャマも何もかもそのまま。

「真希…」
「おかしいでしょ? 捨てられなかったんだ。
いつか戻ってきてくれそうな気がして…捨てられなかった」
「あのさ、真希。話があるんだ」


あたしは一つ、大きく息を吸った。
真希と向き合って肩に手を置いた。
真剣な瞳で彼女を見つめる。

「やだ…聞きたくない!」

真希が首を横に振る。

「聞いてよ」
「いや! 別れの言葉なんか聞きたくない!!」
「いいから聞いて?」

興奮気味の彼女を落ち着かせるように髪を撫でて。


「オイラ…ってか、あたし、女なんだ」


沈黙が流れる。
……嫌われたかな…。


「知ってたよ」
「え?…」
「こんなに肌のきれいな男の子なんていないよ?
それにこんな唇の柔らかい男の子だっていない」
「知ってたんだ…」
「つらかったよね? ごめんね?」

真希があたしの腕の中に飛び込んできた。
あたしは真希をぎゅっと抱きしめた。

「真希…ずっとこうしたかった」
「私も…」
「抱きしめても…いいの? ってか抱きしめちゃってるけど」
「フフフ、あのね、私、ひとむくん…って、本名なあに?」
「ひとみ」
「じゃあひーちゃんか」
「ひーちゃんだねえ」
「私さ、ひーちゃんが男でも女でも関係ないよ?」
「え?」
「女だとしても、私はあなたが好き」
「真希…」
「ずっとそばにいてほしい」
「うん…あたしも真希が好き。ずっとそばにいたい」
「よかった…」
「ん?」
「女なんて興味ないって言われるかと思った」
「最初はね、そうだったよ?」
「そうなの?」
「うん。でも、一緒いる間にどんどん好きになって…
気持ち抑えられなくなったから逃げちゃったんだ。ごめんね」
「会いたかった…すっごい…会いたくてたまんなかった…」

真希はあたしの胸に顔をうずめた。

「ちゃんと食べようね」
「…何で知ってるの?」
「この前中澤さんに聞いた」
「裕ちゃんのこと知ってるの?」
「裕ちゃん?」
「中澤さんのこと」
「うん、この前助けてもらった。死のうと思ってたときに」
「!!」
「そんな顔すんな? もうそんなこと思わないから」

またぽろぽろと涙をこぼす真希。

「あたしってさ、そんなこと思っちゃうくらいに弱いやつだからさ
そばにいて?」
「うん。いるよ」
「一生だよ?」
「一生ひーちゃんとこいる」


あたしと真希、二人の恋愛ははじまったばかり。

 

 

FIN

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