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あたしたちのチームの公式戦出場が決まった。
続くんだって言われてても
ほんとなの? って心のどこかで信じてないとこがあって
だから大会参加を告げられたときはめっちゃうれしかった。


「ねえ真希ちゃん。聞いた?」

うれしさ余ってあたしはごっちんに電話する。

『ん?』
「ほら決まったじゃん。フットサル」
『あぁ…』

なんだよぅ、ノリ悪いなあ。
ごっちん、あんなにフットサルに熱中して一生懸命やってたじゃん。

「真希ちゃんはうれしくないの?」
『……』
「なんだよ。一緒に喜ぼうと思ったのに」

予想通りの反応が返ってこなくていらいらした。

『あのさ、よしこ』
「なんだよ」
『私ね、出れないんだ』
「え?」
『めっちゃね、出たいんだよ?
でも、仕事で出れないの』

思いっきり沈んだ声でそう言われて
あたしは知らなかったとはいえ不注意に
ごっちんの気持ちを考えない発言したことを反省した。

「ごめん…」
『ううん、いいよ。よしこ知らなかったんだもん』
「……」
『……』

気まずい沈黙が流れる。

『よしこさ、私の分もがんばって?』
「出来ないよぅ」

思わず弱音が口をついて出る。

『よしこ…』
「真希ちゃんの代わりなんて出来ないよ、あたし…」

いつもすっごい冷静に戦況を見てて、
誰よりも声出して、あたしたちに発破かけて。
マジ顔であたしたちに声かけてくれるごっちんを見てたら
不思議なことに気分が落ち着いてきて…。
なのに…
そのかわりをあたしが?
ありえねえ……

『よしこ、キャプテンでしょ?』
「でも…」
『お願い、そんな声出されたら私、仕事いけないじゃん…』
「うん…」

本当はね、泣きたいくらいに心細いんだけど
そんな気持ちは封じ込めて。



『大きい声出す練習をしたいです』

記者発表で場違いな発言をしたあたし。
あんたキャプテンだろ?
初試合なわけじゃないだろ?
そんな突っ込みはやめてくれ。
そんなのあたしだってわかってる。


「試合結果、国際電話してよ?」
「負けちゃったら泣いていい?」
「なくのぉ?」
「うん。真希ちゃんいないからまけちゃったぁって泣く」
「ハハハ、いいよぉ」

そう言って髪を撫でてくれるごっちんの手が気持ちいい。
なんか…
なんだか…
涙がじんわりにじんできた。

「何、泣いてんのよ」
「だって…」

すごく…すっごく不安なんだよ?
だって雑誌とかにも必要不可欠なメンバーって書いてあるんだよ?
試合になるのかな…
めっちゃ不安だ。

「がんばって は言わないよ?」
「うん…」
「よしこ、がんばりすぎちゃうのわかってるから」
「真希ちゃんに言われたくない」
「むー」
「ねえ」
「なに?」
「ハワイに行く前の日、会ってくれる?」
「うん、いいよ?」

きっとあったらぐだぐだに甘えて、ごっちんを困らせるんだ。
でも、その日だけは許してね?
試合では、君の分までがんばるから。




つづく

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