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SIDE HITOMI



ハロプロライブのリハが始まった。
あたしはごっちんの一緒の仕事でるんるんなのに、
ごっちんはなぜか浮かない顔。
痩せた?
なんか、顔色も悪いし。
でも、そういう話題を持ちかけても
忙しいだけだよ? 大丈夫だよ?
なんて、いつもの笑顔で返されて
何もいえなかった。






何で気づかなかったんだろう…
おかしいと思ってたくせに
何で…






ごっちんが壊れた。
あたしの目の前で。
まるでスローモーションのように
ひざから崩れ落ちたんだ。
あたしは何もできなかった。
かけよって支えてあげることすらも。
ぐらりとふらついたごっちんを
さっと支えたのは……
あたしでも、あいぼんでも、高橋でもない
ミキティだった。



目の前に突きつけられた気がする。
あたしもあいぼんも高橋も
ごっちんに精神的に頼ってばっかりで
誰も彼女の気持ちなんて考えずに
ごめん…
何が守ってあげるだよ…
悔しくって涙がこぼれた。
他のメンバーもスタッフもみんないたけれど
あたしは涙をこぼした。

「何泣いてんのよ!」

ミキティが叫ぶ。
え? あたし?

「早く! よっちゃん、こっち来て!!」

あたしなのか?
おそるおそる近づく。
ごっちんは顔面蒼白で脂汗を流してミキティの腕の中に抱かれている。

「貧血だと思うけど」
「うん…」
「早く」
「え?」
「早く控え室につれてってやりなよ!!」
「マネージャーさんが…」

ミキティは呆れた顔であたしを見た。

「もういい、美貴が連れてく」

亜弥ちゃん手伝ってって、あややの手を借りて
ごっちんを背負ったミキティ。

「よしこ、最低」

そう捨て台詞を残して出て行った。



一瞬ざわついたレッスンスタジオも
ミキティが戻ってきたら何事もなかったようにリハが再開された。
でも、あたしもあいぼんも高橋も
浮かぬ顔のままでレッスンが終わった。

 

つづく

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