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SIDE HITOMI

電話の向こうのごっちんの様子がおかしい。
あたしは確信めいた気持ちで彼女の家に向かう。
あたしは今日、あいぼんに相談を持ちかけられた。




「よっすぃ〜、あんな? 相談のってほしいことあんねん」
「なあに?」
「わたしな、自分の気持ちがわからんねん」
「気持ち?」
「私、誰が好きなんやろ」
「はい?」

あいぼんの話はこうだった。
最近、ごっちんと高橋が付き合い始めた。
高橋からごっちんのとのことでのろけられるたびに心がざわざわするって言うんだ。
ってか…
知らなかった。
ごっちんと高橋が…
何でごっちんは言ってくれなかったんだろ。

「それがな、私はごっちんに妬いてるのか愛ちゃんに妬いてるのかわからんねん」

困惑の表情を見せるあいぼん。
でも、あたしも同じ場所で変にざわつく心をもてあましていた。
親友なごっちん、親友だよね?
……取られなくない…。
取られたくない?
付き合ってる…やだよ、そんなの…。
ごっちんはあたしが好きなんだよね?
いつもあたしのそばにいてくれたよね?
…あれ?
あたし、その気持ちにこたえてあげてた?


「なあ、よっすぃ〜? よっすぃ〜ってば!」
「あ、ごめんごめん、交信してた」


あいぼんの相談を受けてから
あたしの心臓は変な鼓動を刻んだままだ。

「なあ、よっすぃ〜、よっすぃ〜はどう思うん?」
「あいぼんが誰を好きかって?
それは自分が一番わかってるんじゃないの?」
「わからんから聞いてるんやん。
ごっちんも好き。愛ちゃんも好き。
なのになんでこんなにざわざわするんやろ」

なんでだろうね。
あたしも心がざわざわしたまんまだよ。




あいぼんと別れて、
あたしはごっちんと今、会うべきだと思った。
ごっちんにあってこのざわざわの疑問を確信へと変えなければ
あたしは進んでいけないよ。


電話をかける。
耳に入ってきたのは明らかに具合の悪そうなごっちんの声。
あたしはいてもたってもいられなくて
家を飛び出した。





「真希ちゃん!」


部屋に飛び込むと
ごっちんがゴミ箱を抱え込んで苦しそうにうめいていた。


「大丈夫?」



あわてて駆け寄り背中をさする。

「けほ…げほ……ウェ…」

めちゃくちゃ苦しそうで、見てるあたしのほうが泣けてきた。





そして今、少し落ち着いたごっちんをベッドに寝かせて
あたしはゴミ箱をかたづけ中。


「ごめん」
「なにが?」
「そんなことやらせて」
「ううん。いいよ。それよりか気分はどう?」
「うん、だいぶまし」
「最近またこうなの?」
「あんまり調子はよくない。胃、痛いし」
「そっか…、ストレス?」
「多分ね」

癒してあげられてないのかな、あたし。
一緒にいるだけで癒されるって言ってくれたじゃん。
もうだめなの?
親友だった。
少なくとも少し前までは。
でも、もう無理かもしれない…。

 

つづく

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