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SIDE HITOMI


「よっすぃ〜!!」


ごっちんと幸せをかみ締めていたら唐突に聞こえたあいぼんの声。

「へ?」
「あいぼん?」


二人して顔を見合わせる。
声の方向に目をやると、あたしを睨みつけるあいぼんと
後ろでおろおろしている高橋が目に入った。



「よっすぃ〜、殴ってええか?」


あいぼん、いきなり何だ?


「なんで?」
「高橋泣かせた罰や」
「…ごめん、話見えない」
「愛ちゃんはなあ、やっとの思いで真希ちゃんに気持ち伝えて
やっとの思いで恋人になったんやで?
それやのに、いきなり別れて? はないんちゃうの?」
「ごめん。でもあたしも自分の気持ちに気づいちゃったから…」
「よっすぃ〜はアホや」
「…あたしが?」
「そんなん、誰がどう見ても昔から真希ちゃんはよっすぃ〜のこと好きやった。
それに気いつかんかったんやろ? だからアホやっちゅうねん」
「…そうなの?」

ごっちんをみたら、ごっちんは恥ずかしそうにうなづいた。
…あぁ、昔から両想いだったのかよ…。
バカみたいに悩んだのはだったんだ…。

「もうええよ、あいぼん」

高橋は申し訳なさそうにあたしたちを見ている。

「私は後藤さんの幸せそうな顔見てるのうれしいから、もうええって」
「愛ちゃん…」

ごっちんが高橋を見つめている。

「だから殴る!」
「…いいよ?」

それで八方丸く収まるなら…
何発でも殴られてやる。

「よっすぃ〜、歯、食いしばって」
「おぅ」

あいぼんの右手があたしの頬にヒット…
って、グーかよ!
いてぇ…

「もう一発!」
「あいぼん、やめて!!」

ごっちんがあたしの前に立ちはだかった。

「はっきりしなかった私も悪いんだから…だから、私も殴って?」
「いや…師匠は殴られへん…。もうええわ、気いすんだし、行こ? 愛ちゃん」

あいぼんが愛ちゃんと手をつないで去っていく。


「ごめんね? よっすぃ〜」

ごっちんがあたしの頬に触れた。
自分のハンカチを出して、あたしの唇の端を拭いている。

「切れてる?」
「うん…ごめんね? 腫れちゃうかもしれない…」

そういいながらごっちんはハンカチをぬらしてくれて
頬を冷やしてくれた。
久しぶりの膝枕の感覚は、とっても暖かかった。

 

つづく

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